常陸風土記の丘公園再訪(その3)

常陸風土記の丘公園(茨城県石岡市染谷)の屋外展示の復元家屋等の現況がどうなっているのかちょっと興味をもち,「石岡を掘る7」の室内展示を見学した際,久ぶりに屋外展示の建物等も網羅的に見学してみることにした。

復元建物等がある区画と管理用建物との間に地蔵窪貝塚遺跡(茨城県石岡市三村)の一部が復元されている。
茨城県内には非常に多数の貝塚遺跡があるのだが,(大串貝塚(茨城県水戸市塩崎町)などの史跡公園を除き)その中で見学可能な場所はあまり多くない。また,開発等によって既に消滅してしまった貝塚が少なくない。


IMG_8570.JPG地蔵窪貝塚の復元


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地蔵窪貝塚の説明板


常陸風土記の丘公園の敷地内には,会津の民家が移築・展示されている。とても立派な民家だ。

古代の弥生時代以降の復元建物の中には復元された竃が設置されている。会津の民家は江戸時代末期の頃のものとのことなのだが,その中にも竃がある。竃は,弥生時代頃に基本構造が確立した後,本質的には何も変わることなく,昭和の時代までずっと使用され続けた。

一般に,古代の人々の生活と現代の人々の生活とは完全に無縁なものだと考えがちだが,実は,本質的にはあまり変わっていない要素が多々ある。そういうことを明敏に洞察できるようになることが肝要と思われるのだが,そもそも好奇心が欠如しているような人々にとっては全く意味のないことなのだろう。

あくまでも一般論だが,好奇心が欠如している人は,せっかくの(一度きりの)人生の時間を無駄にしている人(人生で損をしている人)なのかもしれない。


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会津の民家の説明板


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会津の民家の外観


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会津の民家の内部の様子


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屋根裏の様子


常陸風土記の丘公園の敷地内には染谷古墳群の一部がある。これまで何度も見学した古墳なのだが,現況がどうなっているのか気になり,ちょっとだけ見学した。
一番最初に訪問した頃には何が何だかわからないような状態になっていたのだが,現在では,染谷4号墳と染谷5号墳に関する限り,林内の遊歩道が確保されており,安全に見学可能な状態が維持されている。


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道路から見た染谷4号墳


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染谷4号墳


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染谷4号墳の方から見た染谷5号墳


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染谷5号墳


以上で,常陸風土記の丘公園の見学を終えることにした。


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公園内の案内図


あくまでも一般論として,考古学,民俗学,歴史学等の関連施設や史跡公園等は,考古学の成果を一般公開するための施設なのだが,これらの施設を観察または考察の対象とする考古学の考古学が成立し得る。

学説史だけでは全く足りない。それぞれの時点における考古学の成果がどのように情報提供されていたかを考古学の対象とする必要性があるのだ。

現時点では文化論や社会学の一部となっているかもしれない。しかし,あまりにも主観的過ぎる見解の吐露に過ぎないものが多すぎるので,あえて考古学として再構築すべき必要性を提案したい。

私自身は,情報学からのアプローチを続ける。



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