ムラサキイヌホオズキ
先日,取手市内を散策中,ムラサキイヌホオズキ(Solanum memphiticumまたはSolanum sp.)と思われる植物を見た。以前,ムラサキイヌホオズキの写真をとってブログ記事を書いたことがあるが,それから15年以上も経ってしまった。
この間,ムラサキイヌホオズキの研究が少し進んだようだ。現在では,人工的に交配・作出された栽培植物(←食用にする国がある。)の野外逸出ではないかとの見解もあるようだ。人工的に交配・作出された栽培植物の野外逸出及びその子孫の場合,個体による形質のばらつきが存在するのは当然のことなので,ムラサキホオズキの外形的特徴を記述しようとすると必ず直面する困難の大部分は,この見解を採用することによって解決可能となる。
この点に関する現時点で最も詳しい日本語サイトは,下記の三河の植物観察のサイトの記事で,とても勉強になる。
一般に,日本の自然環境保護や外来生物の寄生と関係する研究者や機関の関心が「外国で人工的に作出された生物の日本国への侵入」に向けられることは,必ずしも多いことだとは言えない。
特にその外来生物が,極めて微細なウイルス,細菌,菌類,小動物である場合に関しては関心が薄く,混合的な遺伝子状態を自動的に解析するためのAI技術等の開発も遅れている。
このことが,これらの微生物を病因とする疾病に対する治療薬や治療法の開発・発展を妨げていることは言うまでもない。
一般に,「世界が(異なる複数の遺伝子起源をもつ)人工生命体であふれている」という当たり前の事実を直視しない限り,問題が解決されることはない。
現在では誰も利用しなくなってしまっているために有用植物ではなく単なる野生植物として理解されている山野草の中にも「そのようなものが含まれている可能性がないとはいえない」ということを常に意識し,「もしかしたら・・・」という好奇心または関心を強くもち続けることが肝要だ。
三河の植物観察:ムラサキイヌホオズキ 紫犬酸漿
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