ミカドフキバッタ

先日,長野県北部の山地を散策中,田圃の脇を通る路上にミカドフキバッタ(Parapodisma mikado)と思われるバッタがいるのを見つけた。
近づいても動かない。
どうやら,赤い小さなダニのような小動物に寄生されており,相当に弱ってしまっているようだ。
自然界は厳しい。


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あくまでも一般論だが,通常の生体は,ウイルス,細菌,菌類,線虫やダニ等の微生物に対して何らかの抵抗のメカニズムを具備している。そのメカニズムは生体内の免疫システムをもつ場合や,他の生物との共生による場合もあり得る。
そのようなメカニズムが正常に機能している間は生命活動を維持可能な状態の下にある。しかし,そのようなメカニズムが正常に機能しなくなっていると生命活動を維持可能ではなくなる。
通常,これも寿命の一種として理解することができる。「寿命」は,生命保険会社が便宜的・人工的に構築している平均余命とは全く無関係の概念であり,それぞれの個体に固有の個性的な現象だと考えなければならない。

その「寿命」がどのようにして定まるかは,偶然の要素によるところがすこぶる大きく,本当は予測不可能と考えるのが正しい。

だから,例えば,法理論としての「逸失利益」の計算も,本当の真理としては,そもそも「計算不能」という意味で荒唐無稽な理論なのだ。

この点について疑問に思う読者は,末弘厳太郎『嘘の効用』を読んでみると良い。



 虫なび:ミカドフキバッタ



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