栃木県芳賀郡市貝町市塙:永徳寺と村上城址(その1)
過日,真言宗智山派・大慈山寿命院永徳寺(栃木県芳賀郡市貝町市塙)を参拝し,同寺の境内地を含む村上城址の主要部分を見学した。
永徳寺の本尊は,十一面千手観音。2体ある永徳寺の観音像中の1体は,大きな木像で,平安時代の作とされ,通常は公開されていない秘仏。この秘仏となっている観音像は,栃木県の文化財に指定されている。
現在,観音堂において一般的に拝することができるのは,他方の観音像(御前立)で,鎌倉時代の作とされ,かなり大きな観音像であり,一般によく見られる慈母像的な観音像とは相当に異なるもの。迫力がある。
永徳寺は,弘仁6年(815年)行基の開基の寺院で,観音堂は徳一大師の創立とされている。ただし,元は天台宗の寺院だったけれども,寛永19年(1642年)に真言宗に改宗,寺号を改めて現在に至っているとのこと。現在の堂宇は,千本義貞によって慶長年間に再建されたものらしい。
永徳寺は,下野三十三観音第十二番札所となっている。
永徳寺入口の手前に比較的大きな駐車場がある。その駐車場にクルマを停め,その先は徒歩で往復。なお,この駐車場に至るまでの山道は道幅がかなり狭いので,そのような道路の走行に慣れていない人には推奨できない。また,大型車両はすれ違いが困難なのではないかと思う。
村上城址に関しては,市貝町史編さん委員会編『市貝町史 第1巻 自然・原始古代・中世資料編』(平成2年)の771~772頁に解説と詳細な見取り図がある。
これによれば,永徳寺の境内地は,南北に細長い2郭の南端部分に相当する。2郭の南東端付近に千手観音堂があり,2郭の東端を南北に走る土塁の南端部分がある。その土塁の東側には深い堀があり,更に東側には南北に細長い3郭がある。手持ち時間と体力の限界が来ていたため,3郭内には立ち寄らず,2郭と3郭との間の空堀の堀底道も歩かなかった。
駐車場付近から見える景色
石段
千手観音堂
説明板
千手観音堂の彫刻(一部)
千手観音堂の彫刻(一部)
千十観音堂の彫刻(一部)
千手観音堂側面
本堂
境内の様子
石塔
供養塔
供養塔
供養塔
南無阿弥陀佛
白寿観音像
訪問した時に境内に咲いていたクチナシの花
栃木の文化財:木造千手観音立像
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