栃木県芳賀郡芳賀町稲毛田:来迎寺
過日,時宗・引接山浄台院来迎寺(栃木県芳賀郡芳賀町稲毛田)を参拝した。
芳賀秩父三十四観音霊場第二番札所となっている。
来迎寺は,正中元年(1324年)に創始の寺院。観音堂には,如意輪観世音菩薩像がある。
来迎寺の山門は,長命門と名付けられているが,説明板によれば,来迎寺の前住職が長命寺(廃寺)の山門を購入し,来迎寺の山門としたが,長命寺の名を後世に残すためにその名を冠する門としたことによるとのこと。
また,説明板によると,山門前にある二十三夜塔は,元は八雲神社の鎮座地前にあるY字路交差点に道標として立てられていたものを移築したものだそうだ。非常に貴重な文化財の1つだと言える。このようにして移築・保存されているおかげで,現在でもその姿を目にすることができる。
一般に,来迎寺の山門前にある二十三夜塔の場合と同様,かつて街道の道標として使用されていた庚申塔や供養塔等が他所に移築・保存されているという例は各地に結構多数ある。
ところが,その由来を明記する説明板等が一緒に立てられていないと,それを目にした者が「文化財としての価値のあるものだ」と判断するための前提となる情報提供がないことになる。
あくまでも一般論だが,地元の人でさえ,当該関連寺院の住職や当該関連神社の神官でない限り,または,よほど勉強熱心な人でない限り,それらの貴重な文化財の由来を全部覚えていることは,まずないだろうと思う。
来迎寺では,供養塔の由来の説明板が立てられており,とても助かる。
参道
山門
説明板
二十三夜塔
地蔵菩薩
本堂
観音堂
境内の枝垂桜
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