白石市:鷹巣古墳群(その1)
過日,鷹巣古墳群(宮城県白石市鷹巣,同市緑が丘,同市郡山虎子沢山,同市大鷹沢)を見学した。
鷹巣古墳群は,40基の古墳で構成される古墳群であり,古墳群全体の古墳分布図は,宮城県白石市教育委員会編『白石市文化財報告書12 鷹巣古墳群発掘調査概報』(昭和47年5月)の中にある。古墳群所在地の北西側に位置する主要な古墳の詳細に関しては,白石市教育委員会(宮城県)編『白石市文化財調査報告書第42集 鷹巣古墳群』(平成24年3月)の中にまとめられている。
鷹巣古墳群に含まれる古墳中の現存古墳の多くは現在の「鷹巣」地内に所在する。しかし,15号墳,16号墳,17号墳,20号墳,21号墳,22号墳,25号墳等は現在の「緑ヶ丘」地内に所在する。現存の有無が明確ではなく,全て完全に湮滅しているものと推定されるけれども,30号墳,31号墳及び32号墳は,「郡山虎子沢山」地内にその所在地がある。24号墳は,「郡山虎子沢山」地内に所在する。また,36号墳(経塚山古墳)は,現在の「大鷹沢」地内に所在する。
鷹巣古墳群を構成する古墳中で(高木地内のアクセス不可能な山の中にある39号墳と40号墳,見学を割愛した銚子ヶ森地区内の41号墳を除き)現存古墳と(関連資料の記載等から)現存しているかもしれないと思った古墳の所在地を見学した。
意外と多数の古墳が現存しており,正直に言って驚いた。実際に訪問してみる前には大半の古墳が既に湮滅しているのだろうと想像していた。
鷹巣古墳群の12号墳(瓶ヶ盛古墳),15号墳,16号墳及び17号墳は,古墳虞の北西端に位置するまとまった区画内に史跡公園として保存されている。
この史跡公園内には,既に湮滅した18号墳(山の神古墳)の箱式石棺及び19号墳の横穴式石室も移築・保存されているから,同じ史跡公園内に6基の古墳(4基の墳丘墓+2基の移築石室)が保存されていることになる。
なお,この史跡公園の西側には平坦地がある。この平坦地は,元は職業訓練所(白石高等技術専門学校)の敷地だったところなのだが,人工的に掘削された平坦地なので,もともとは山の斜面だったと推定される。掘削される前の山の斜面にも多数の古墳が存在した可能性があるけれども,現在のところ記録を発見できないでいる。
古墳群所在地の北西端付近まで南側から登る道
途中で見える景色
12号墳等の所在地の西にある小規模な墓地区画(元は古墳?)
(中央~右の上段にあるのは元職業訓練所敷地の法面)
西の方から見た12号墳等の所在地
12号墳等所在地入口付近から見える景色
元職業訓練所敷地入口付近
12号墳等の所在地に登る道
史跡公園部分の入口付近
(中央右の柵内が移築された19号墳石室所在地)
(中央奥は12号墳)
19号墳石室(移築・復元)の所在地
正面から見た19号墳石室(移築・復元)
斜め横から見た19号墳石室(移築・復元)
19号墳(移築・復元)の石室の説明板
12号墳の墳丘の西側を通る遊歩道
史跡公園部分西端付近にある休憩所
休憩所付近から見える景色
(手前の平坦地は元職業訓練校敷地)
休憩所付近から見える景色
西の方から見た12号墳の後円部
北西の方から見た12号墳の後円部
12号墳の墳丘の北側を通る遊歩道
北の方から見た12号墳の後円部
後円部北側裾にある道祖神
北西の方から見た鷹の巣古墳群の説明板所在地付近
鷹の巣古墳群の説明板
12号墳のくびれ部付近から見た後円部
12号墳の後円部墳頂の様子
12号墳の後円部の墳丘上に咲くキスゲ
12号墳の後円部の墳丘上に咲くキスゲ
12号墳の後円部から見た前方部
12号墳のくびれ部付近から見た前方部
南の方から見た12号墳の後円部(左)と前方部(右)
南東の方から見た12号墳の全景
(右手前が前方部・左奥が後円部)
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