藤枝市下青島:瀬戸古墳群供養塔など

過日,瀬戸古墳群供養塔なるものを見学した。
東名高速道路建設のために完全に掘削されてしまった瀬戸山には,かつて,130基以上の古墳で構成される大規模な古墳群(群集墳)があったのだという。現在では,74基の古墳で構成される岩田山古墳群があった岩田山と共に,瀬戸山それ自体がなくなってしまっているので,瀬戸古墳群に関しては,資料で知ることしかできない。

瀬戸古墳群のかつての地形図及び古墳の分布図は,藤枝市史編さん委員会編『藤枝市史 資料編1 考古』(平成19年)の522~533頁にある。また,関連資料等は,千貫堤・瀬戸染飯伝承館(静岡県藤枝市下青島)に収蔵・展示されているとのこと。今回は,時間の関係で,千貫堤・瀬戸染飯伝承館を訪問しなかった。

千貫堤・瀬戸染飯伝承館に隣接して千貫堤の一部が残されており,また,近隣には,かつて瀬戸山中腹にあったものが移築されたのだという延命地蔵堂があり,その傍らに瀬戸古墳群供養塔が立てられている。その近くには,染飯茶屋の説明板がある。これらが,かつて存在した瀬戸山と瀬戸山古墳群の存在を現在に伝える物体の全てということになる。

高度経済成長期に大規模に地形が改変され,大規模遺跡がまるごと全部消滅してしまった例は,日本中に無数にある。それは,単に文化財を消滅させる行為だったというだけではなく,「日本」というものの記憶を徹底的に消し去り続けるという,ある種の基本戦略に基づく行為が連綿として続けられていることの証でもあり得ると考えることも全く不可能ではない。しかし,本当は,そのような難しいことがあるのではなく,単に,非常に多数の者の「金儲けしたい」という欲望の集積がそのような結果をもたらしているだけなのだろうと思う。

IMG_5813.JPG延命地蔵尊


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瀬戸古墳群供養塔


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千貫堤の標柱と説明板


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染飯茶屋跡の標柱と説明板



  藤枝市:千貫堤・瀬戸染飯伝承館

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