石岡市太田:善光寺

過日,真言宗豊山派・月光山無量寿院善光寺(茨城県石岡市太田)の所在地を訪問した。

善光寺は,文亀元年(1501年)に小田城主・小田成治の母が建立した寺院。本堂裏には,小田氏一族のものとされている五輪塔が並んでいる。

善光寺の楼門は,茅葺の立派なもので,室町時代のものと考えられており,国指定文化財となっている。私が訪問した時には,比較的最近に屋根の葺き替えが行われたらしく,綺麗になっていた。

現在,善光寺は,無住の寺院。その本堂は,長らく壊れたままで,特に東側の破損が著しい。危険なため,周囲にはロープが張られ,近づかないようにとの警告表示がある。屋根の壊れた部分から内部(屋根裏)が見えるので,寺院の内部構造を知ることのできる良い機会だと考え,ロープの外からしばし見学した。とても勉強になった。

境内には古い二十三夜供養塔などが多数並んでおり,かつては相当栄えた寺院だったのだろうと思われる。

政教分離の原則があるため,国または石岡市が本堂の修理費を支出するわけにはいかない。このような場合,完全に朽廃するのを待ち,危険防止のための廃材処理の過程で行政が関与するしかないかもしれない。危険性が切迫しているときは,石岡市が代執行の形式で強制的に建物を解体撤去することは可能と思われるけれども,その建替費用を最終的に誰が負担するかに関してもめそうだ。


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楼門正面


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斜め前から見た楼門


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楼門側面


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楼門背面


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善光寺楼門の説明板


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石段


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石段脇の古い供養塔


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本堂正面


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本堂側面


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小田氏一族のものとされる五輪塔


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板碑


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二十三夜供養塔など


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御堂


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御堂の敷石



 石岡市:善光寺楼門



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