石岡市染谷:波付岩
過日,波付岩(茨城県石岡市染谷)を見学した。
石岡市教育委員会編『石岡の地名-ひたちのみやこ1300年の物語-』の131頁には,『石岡誌』(明治43年)の記述を引用した解説がある。旧地名が「石倉」となっているので,神道の磐座だったことの名残りではないかとも考えられる。
龍神山・波付岩ジオサイトの説明板は,常陸風土記の丘公園の駐車場内にあり,波付岩付近には地質学関係の説明板はない。
波付岩は,常陸風土記の丘公園の西の方の山にあり,石岡市B&G海洋センター北西角の交差点からひたすら西の方に向けて歩くと間違うことなく現地に到達できる。途中で「ルンルン畑」という場所を通過する。波付岩の所在地は道からすぐに見える場所ので,草木が繁っていない冬場であれば発見は容易。
波付岩は,標高66mくらいのところにあるのだが,かつて,このあたりまで海の波が押し寄せていた証拠に貝殻が岩に付着していたとのこと。それゆえ波付岩という呼称があるらしい。現在では貝殻が全く見当たらない。
また,波付岩は,神道における祭祀の対象とされてきたようで,かつては,岩の上に国常立尊を祀っていたとのこと。現在,岩の上ではなく,岩の手前に石祠が祀られているのだが,これが国常立尊なのではないかと思った。
波付岩の周辺は,波付岩遺跡と呼ばれる縄文時代の遺跡包蔵地となっている。一部発掘調査され,竪穴式住居跡などが発見されたようだ。
波付岩に露頭している岩は,一般に雲母片岩と呼ばれている岩石で,茨城県内の遺跡から出土する箱式石棺等の用材の大半が筑波山周辺の雲母片岩を用いたもののようだ。
要するに,波付岩は,箱式石棺の用材がどのような場所で採掘されたものなのかを理解・想像しようとする際には必見の場の1つと言える。
GSJ地質ニュース6巻7号
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