ひたちなか市阿字ヶ浦町:堀出神社と古墳
過日,堀出神社(茨城県ひたちなか市阿字ヶ浦町)を参拝した。祭神は,誉田別尊。
下記の堀出神社のサイトは,「寛文11年(1671年)8月13日,岡見伝五右エ門尉吉高(14才)の記した由来記」を引用し,前浜村と平磯村との境界争いの解決のための検分の際に石廊が見つかり,その中から「刀,折れた脇差,槍,鉾3枚,矢の根,具足,州枚形からがね2枚,天目など」が発見され,水戸藩において吟味した結果,「磯前明神の本体であろう」と結論されたので,前浜村鎮守を望む地元の意向をくんで,岡見吉為が小社を建て,これが堀出神社のはじまりとのこと。「古墳の発掘されたところは現在不明であるが,町内小池親氏神に堀出宮神魂石という石が祭られている」とのことで,この場所とは,氏神神社の鎮座地が該当するものとも思われるが,氏神神社は黒澤家のものであり,小池家のものではない。現在,堀出宮神魂石は,堀出神社の境内にある。この石は,「石廊」を組成した石材の一部だったのだろうか?
なお,ここでいう「石廊」とは石室のことを意味するので,石室のことを示すのではないかと思われる。あるいは,石棺かもしれない。「天目」とは,本来の意味での天目茶碗のことではなく,焼成した土器の皿または器のことを意味すると思われる。
いずれにしても,堀出神社は,まさに古墳由来の神社であり,古墳に蔵置された遺物が掘り出されたことを端緒として創始された神社なので,古墳ファンであれば人生に一度は訪問し,参拝したほうが良い神社なのではないかと思う。
堀出神社の境内地及び周辺は前山古墳群と呼ばれる古墳群の所在地とされている。堀出神社の境内地北東端付近には,前山古墳群に属する2基の円墳中の1基がある。もう1基の所在地は不詳。
精密な測量調査が実施されたことがあるのかどうかは不明だが,現況は,一部掘削されてはいるものの概ね良好な状態で保存され,目測で直径10m前後・高さ2m程度の円墳のように見えた。
精密な測量調査が実施されたことがあるのかどうかは不明だが,現況は,一部掘削されてはいるものの概ね良好な状態で保存され,目測で直径10m前後・高さ2m程度の円墳のように見えた。
堀出神社
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