常総市蔵持:神子埋古墳群(その1)

過日,神子埋古墳群(茨城県常総市蔵持)を見学した。「神子埋」は「かみこのめ」と読み,「神子女」とも書く。

茨城県西部には「蔵持」または「倉持」を姓とする人や会社名とする企業がかなり多数ある。「蔵持(倉持)」の起源には諸説ある。雲井宮郷造神社(茨城県筑西市倉持)との関係では,「倉持」は古代の車持氏の「車持」から転じたものとの見解もある。車持氏は,荒田別命の後裔の1つとされている。雲井宮郷造神社をまだ参拝していないので,いずれ機会をみて参拝したいと思っている。

さて,茨城県教育委員会編『重要遺跡報告書Ⅰ』(昭和57年3月)の280頁によれば,神子埋古墳群は,元は66基の古墳で構成される非常に大規模な古墳群だったけれども,昭和57年当時には前方後円墳1基と円墳4基の計5基を残すのみとなっていたようだ。

以前,神子埋古墳群の残存古墳中の唯一の前方後円墳である六所塚古墳(神子埋73号墳)を見学したことがある。六所塚古墳を再訪し,他の残存古墳(弁天塚古墳・稲荷塚古墳)や関連遺跡を見学した。『重要遺跡報告書Ⅰ』の280頁に記載のある古墳群北端に所在する2基の円墳は,現在では宅地となって湮滅している。また,古墳群南東端に所在する権現塚古墳(前方後円墳)も既に湮滅している。

今回訪問してみて,木の葉が落ちている季節であれば,六所塚古墳の墳形が明瞭に視認可能だということを理解した。とても立派な古墳であり,今後も保存してもらいたいものだと思う。


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北西の方から見た六所塚古墳全景


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西の方から見た六所塚古墳全景


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南西の方から見た六所塚古墳全景


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南東の方から見た六所塚古墳全景


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六所塚古墳の前方部端付近


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六所塚古墳(左)と弁天塚古墳(右)



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