栃木県那須郡那珂川町小川:那須官衙遺跡

過日,那須官衙遺跡(栃木県那須郡那珂川町小川)を見学した。

那須官衙遺跡の所在地(包蔵地)は,那珂川町なす風土記の丘資料館の東側~南東側に広がる台地上の緩斜面。現在,官衙跡として整備・公開されている場所は,正倉のあった場所とされている。他に梅林基壇と呼ばれる建物跡も整備・公開されている。

一般に,那須官衙遺跡は,那須郡衙の一部に該当すると推定されているけれども,正庁と推定できる建物跡は未発見らしい。

他の官衙遺跡等と比較してみると,つくば市の平沢官衙遺跡でも正倉群跡だけが発見されているし,国内では他にも同様の正倉群跡遺跡が発見されているので,正倉のすぐそばに正庁が必ず存在するという先入観は捨ててしまったほうが良いのではないかと思う。とはいえ,もっと広い範囲で発掘調査を実施すれば,例えば,茂原官衙遺跡のように,全体像が明らかとなる日が来るかもしれない。

那須郡衙が現在想定されているよりもずっと大きな規模をもつものだったとすれば,例えば,大田原市佐良土周辺に正庁所在地があったと考えることも可能ではないかと想像した。


IMG_7034.JPG
那須官衙遺跡の石碑


IMG_7036.JPG
正倉跡の説明板


IMG_7038.JPG
正倉跡の礎石


IMG_7032.JPG
梅林基壇


IMG_7030.JPG
梅林基壇の説明板



 那珂川町:那須官衙遺跡



この記事へのコメント

この記事へのトラックバック