喜多方市上三宮町:願成寺と古墳(その2)

過日,浄土宗・叶山三寶院願成寺(福島県喜多方市上三宮町上三宮)を参拝した。

願成寺の山門の両脇には円墳様の塚があり,願成寺古墳群を構成する円墳とされている。ただし,この地域は,激しい戦乱の時期を経験している地域でもあるので,古墳ではなく,後代の塚である可能性を完全に否定することはできないように思われる。

詳細な資料(発掘調査報告書等)が見当たらないので,このブログ記事では,とりあえず,古墳であるという前提で,仮に北東側にあるものを円墳Aとし,南西側にあるものを円墳Bとして記事を書くことにする。

これら2基の円墳は,いずれも直径10m前後のもので,墳頂には丸い石が祀られている。


円墳Aは,山門の北東側約30mのところにあり,その墳頂には丸い石が祀られている。五輪塔の一部ではないかと思われる。円墳Aのすぐ南側には愛染明王や金比羅大権現があるため,正面直近までアクセスせず,参道からズームで写真を撮った。


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南の方から見た円墳A


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南西の方から見た円墳A


円墳Bは,山門の南西約20mのところにあり,その墳頂には,やはり丸い石が祀られている。五輪塔の一部ではないかと思われる。


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北東の方から見た円墳B


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北の方から見た円墳B


願成寺の庫裏の裏(北側)には庭園がある。庫裏の中には保科公がその庭園を楽しむために特別に畳が並べられた場所があるとのこと。庫裏の縁側越しに庭園を楽しんだのだろう。
その庭園の更に北側は山林のようになっている。その山林の中に4基の塚がある。それらが古墳であるかどうかはわからないが,少なくとも,中世以降の塚である可能性は比較的高いのではないかと思う。
それらの塚に関する調査報告書等の資料も見当たらないので,このブログ記事では,仮に,大仏殿に近い方から順に,塚A,塚B,塚C及び塚Dと呼称することにする。

塚Aは,念ずれば花碑のすぐ裏側にあり,円墳または長楕円形墳のように見える。塚Aの上には石が載せてある部分があるが,これは葺石ではないと思う。

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南の方から見た塚A


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北西の方から見た塚A


塚Bは,塚Aの東側に隣接しており,塚Bの上には石祠が祀られている。
塚Bの上に若干盛土してあり,その上に石祠が祀られている。
なお,塚Aと塚Bとは連続していると見ることもでき,塚Aと塚Bを併せて長方形墳または前方後円墳のような形をしていると見ることも可能なように思われる。

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南の方から見た塚B


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北西の方から見た塚B


塚Cは,塚Bの東側に隣接しており,塚Bと塚Cとの間には水路がある。塚Cの上には石塔が祀られている。


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塚Bと塚Cとの間を流れる水路


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南の方から見た塚C


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東の方から見た塚C


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北西の方から見た塚C


塚Dは,塚Cの北東に隣接しており,塚Dの上には石祠が祀られている。
この石祠は,比較的最近までその存在が知られていなかったけれども,荒れていた山林部分を掃除し,林内を手入れした際,土の中に埋もれているのが発見され,現在ではきちんと立て直されたものらしい。


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南の方から見た塚D


なお,願成寺の墓地内にも元は古墳だったのではないかと疑われる地形部分が何か所かあった。それが何であるのかは,よくわからない。しかし,場所が場所なので,ざっと見学するのにとどめ,その写真を撮影することは控えた。



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