香取市多田:多田朝日森稲荷神社
過日,多田朝日森稲荷神社(千葉県香取市多田)を参拝した。祭神は,宇迦之御魂神・大宮能売神。
多田朝日森稲荷神社は,嘉永7年(1854年)に京都の伏見稲荷大社から勧請して創建された神社とのこと。その経緯については,境内に立てられている縁起書に記されているのだが,その中には正平6年(1351年)に起きたという非常に興味深い出来事について書かれている。この記載によって示されている出来事は,南北朝の時代当時の戦乱と攻防のことを指すのではないかと想像される。一般に,当初南朝が優勢だったけれども,次第に南朝の諸勢力が敗北したことは比較的よく知られている。しかし,現在の千葉県~茨城県に相当する地域を支配していた勢力の支配範囲の変動や個々の戦闘,そして,敗退した氏族のその後の状況等の詳細に関しては,よくわからないことがまだまだ多い。
他方において,その当時,立派な寺院や神社が火災により消滅したとの記録は結構たくさんある。おそらく,現在では寺院や神社として知られている建造物等が当時の武将の屋敷または館の一部を構成するものであり,それゆえに,敗北する時には全て焼かれて焦土と化してしまったのではなかろうか。焼かれても残存し得る石造物を丁寧に調べる学術上の意義は,そのあたりにもある。
それはさておき,朝日森稲荷神社の裏(南西側)には朝日森天神社がある。この天神社も参拝した。
ランキングの項目名はシステムによって自動的に設定される仕様となっており、固定的ではありません。任意の設定ができない仕様になっています。そのため,記事内容と関係のない項目名が示されることがあります。
この記事へのコメント