茨城県稲敷郡阿見町:塙城跡
過日,塙城跡(茨城県稲敷郡阿見町塙)を見学した。
塙城跡は,君原公民館のすぐ北側にある。ただし,現在小規模な集落のある区域は(民家敷地内なので)立入禁止となっており,南側から順路表示に従って進むと,いったん東側の切通しのようなところに降り,そこから少し登って城跡内に入るようになっている。
阿見町史編さん委員会編『阿見町史』(昭和58年)の187~189頁に塙城の解説がある。それによると,塙城の元の城主は「舘野氏」だったとの伝承があるが,中世の頃には土岐氏の城となって大規模に改造・拡張されたとされている。
塙城跡の北西側には道路があり,その道路に沿って集落が続いている。その集落の北側にも土塁と堀の跡(現況山林)があり,また,そのあたりには寺院跡(金性寺跡)があったようだ。
金性寺は,塙城の北の鬼門を守護するという役割を果たしていたと考えられるから,往時の塙城は,全体としては,(現在では城跡北西側の集落となっている区域を含め)現存部分よりも大きな城を構成していたのではないかと想像した。あるいは,更に拡張する工事の途中の段階で落城してしまったのかもしれない。
なお,金性寺跡付近には古墳群が存在していた可能性があるが,仮に存在していたとしても,築城に伴って掘削されてしまったと考えられる。
余湖:塙南城・北城(阿見町塙字タテ)
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