ミゾイチゴツナギの花と獲物を捕獲中のササグモ

先日,里山の林の中を散策していたら,ミゾイチゴツナギPoa acroleuca)と思われる植物が開花しているのを見つけた。開花しているとは言っても,とても小さな小穂に葯が出ているだけで1mm未満の世界のことだし,ときどき風が吹く状況だったので,かなり苦労したけれども,どうにか写真撮影に成功。
穂の状態を観察していたら,穂先にとても小さなクモがいるのを見つけた(3枚目と4枚目の写真)。ササグモ(Oxyopes sertatus)と思われる。こんな小さなイネ科植物のとても小さな花に集まる虫もいないだろうと思いながら写真を拡大してみたら,どうも非常に小さなイモムシ様の小動物(昆虫等の小動物の幼体?)を捕獲した瞬間を撮影したことになるようだということに気づいた。この写真を撮影している時には気づかなかった。

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一般に,イチゴツナギ(Poa)の仲間はどれも似たような感じで識別が非常に難しい。しかも,品種改良の名の下に多種と交配・合成された品種(人工生命体)が膨大に存在し,それらの自然交雑と推定される個体群も更に膨大に存在しているため,(特に,交通量の多い道路の路傍や人々が訪問する頻度の比較的多い公園等においては)図鑑的な意味での典型的な個体を探すのは至難の業のような状況となっている。
このブログでも,厳密な意味で図鑑的な意味での種の識別が完全にできない個体であっても,表現型が概ね図鑑的な要素を充足していれば,その種の範疇にあるものとしてアバウトに紹介することにしている。遺伝子全部を調べれば,確実な同定が可能と思われるけれども,私のような素人には無理。


 イチゴツナギ属の検索
 http://www2u.biglobe.ne.jp/~gen-yu/nakazato/poa.html

 三河の植物観察:ミゾイチゴツナギ 溝苺繋
 http://mikawanoyasou.org/data/mizoitigotunagi.htm

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