茨城県結城郡八千代町:仁江戸古墳群15号墳~21号墳
仁江戸古墳群(茨城県結城郡八千代町)を構成する古墳の中で,香取神社古墳(1号墳)と愛宕山古墳(21号墳)は,既に観ていたのだが,過日,御所神社を参拝した後,愛宕塚古墳所在地を含む御所神社の境内地を再訪し,わかる範囲内で15号墳~21号墳を拝見して回った。各古墳の墳頂または墳丘の正面に御堂がある。それらの御堂の前で合掌した。
なお,仁江戸古墳群に関しては,筑波大学歴史・人類学系「筑波大学先史学・考古学研究調査報告5 古墳測量調査報告書Ⅰ-茨城南部古代地域史研究-」(1991)の40頁以下に詳細な記載がある。ただし,この報告書に書かれている各古墳の詳細仕様の記述は,他の文献等にある記述と比較すると若干異なっている。最新の知見に基づくものだろうと推測されるけれども,注意を要する。加えて,この報告書では,村岡柴崎2号墳を仁江戸22号墳とし,村岡柴崎1号墳を仁江戸23号墳としている。
仁江戸古墳群の15号墳は,小桜塚古墳とも呼ばれる直径約12.5m・高さ約1.0mの円墳とされている。御所神社背後(西側)の道路脇にある。
16号墳は,不動塚古墳とも呼ばれる直径約6.5m・高さ約0.5mの円墳されている。墳頂に2つの不動堂がある。これらの不動堂は,質素なものだが,その中に安置されている不動明王像は,立派なものだと思う。耳錐不動尊だと思う。
17号墳は,直径約5m・高さ約0.5mの円墳とされているが,よくわからない。16号墳と合体したものだとすれば,16号墳の左側にある妙見不動尊の不動堂のある場所が17号墳に該当すると思われる。
18号墳は,観音塚古墳と呼ばれる直径約5m・高さ約0.5mの円墳とされている。馬頭観世音菩薩の御堂がある場所がそれに該当するものと思われる。墳丘は,かなり掘削されているものと思われる。
19号墳は,庚申塚古墳と呼ばれる直径約15m・高さ約0.5mの円墳とされている。庚申塔が並んでいる場所があり,その背後にある墳丘のようなものが19号墳に該当すると思われる。この墳丘は,あまり高くない。
20号墳は,稲荷山古墳と呼ばれ,直径約13m・高さ約1.2mの円墳とされている。二十六夜講の御堂の中に馬頭観世音菩薩のような観世音菩薩像があり,その背後に比較的大きな墳丘がある。その墳丘が20号墳に該当するものと思われる。
21号墳は,愛宕山古墳または愛宕塚古墳と呼ばれ,直径約26m・高さ約3mの円墳または前方後円墳とされている。墳丘の前に鳥居があり,墳頂に祠がある。祠の中には勝軍地蔵尊が祀られている。
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