佐野市:新町薬師堂と米山古墳
過日,新町薬師堂(栃木県佐野市犬伏新町)を参拝した。新町薬師堂は,真田父子が東軍と西軍に分かれて戦うことを密議した場所だとされており,境内にはその旨の内容の説明板がある。境内には稲荷大明神の御堂がある。
新町薬師堂を参拝した後,その背後にある山道を登り,米山古墳の所在地を見学した。かつては山全体が巨大な前方後円墳だと考えられた時期があり,新町薬師堂の境内に立てられている説明板の記載内容もそのような理解を前提としている。しかし,現在では,山の頂上付近に埴輪を伴う古墳が1基あり,山の山腹に数基の円墳があって,全体として古墳群を形成しているものと考えられているようだ。実際に現地を訪問し,山を登って古墳所在地の様子を観察してみても,山全体を巨大な古墳とする考え方には無理があると思った。
なお,古い資料には山頂に石棺がある旨の記載のあるものがあるけれども,現在では明確にそれと判断できるものは見当たらない。発掘調査の際に除去されたか,または,発掘調査後に覆土して埋められたものかもしれない。現況としては,石祠と石碑があるほか,若干の石材が散見される程度となっている。
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