水戸市:堀吉田神社と西原古墳群
過日,堀吉田神社(茨城県水戸市堀町)を参拝し,その西方に点在する西原古墳群を見学した。堀吉田神社の境内地は,社叢部分を含め,台地の淵にあり,その北側の段丘崖下には田野川が流れている。これまで西原古墳群に属する古墳として認識されてきた古墳だけではなく,堀吉田神社の境内地と社叢の敷地部分にも郡衙関連遺構と古墳遺構が存在するのではないかと想像するが,詳細はわからない。
堀吉田神社の祭神は,日本武尊。堀吉田神社の由緒書によれば,元は権現様だったとのこと。本来は西原古墳群に属する古墳の被葬者を供養するための古くからの寺院(観音寺)またはその後継寺院の一部だったと考えられ,水戸藩主・徳川光圀の神仏分離政策により創建された比較的新しい神社だと理解できる。多数の境内社等がある。その社殿等はとても立派なもので,しばらくながめていた。
その間,不審者監視担当者と思われる男性が黄色の軽自動車で駆けつけ,スマホをいじるふりをしながらずっと私を監視していた。「ご苦労様」と言いたいところだが,時間と労力の無駄であり人生の貴重な時間の浪費となるので,費用対効果と観光収入等の経済効果を冷静に考えた上で,もっと洗練された識別能力と判断能力のある者を監視担当者にすべきだろうと思う。
堀吉田神社の鳥居脇には西原古墳群の標石がある。現在判明している古墳は,合計14基であり,いずれも堀吉田古墳から西の方にある山林内,畑地内及び住宅地内に点在しており,それらの古墳のかなりの部分が既に隠滅している。標石には「前方後円墳」との記載があるけれども,発掘調査の結果,現在では,前方後円墳ではなく前方後方墳(1号墳)であることが明らかにされている。2号墳~14号墳は,円墳と考えられているようだ。
1号墳~4号墳は,堀吉田神社の西側山林内にあるが,現在ではアクセスできない。1号墳~4号墳以外の古墳で墳丘の全部または一部が残存していると判断できるものは8号墳,9号墳及び11号墳の3基だけとなっており,これら以外の古墳は既に隠滅したと判断すべきだろう。8号墳,9号墳及び11号墳も比較的近い将来に隠滅する可能性が高い。
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