茨城県稲敷郡美浦村:八枚原古墳群

茨城県稲敷郡美浦村大字受領には八枚原古墳群があり,「円墳4基を含む5基」の古墳が存在することになっている。古墳群の所在地は,ヨークベニマル美穂店~美穂村保健センター~美穂村役場~光と風の丘公園内の「古墳の森」を含む地域(道路敷を含む)とされている。八枚原古墳群を構成する古墳の中で主たる古墳だった庚申古墳は,美穂村保健センターの敷地内にあったけれども現在は完全に湮滅している。他の古墳も同様に湮滅したものと思われるのだけれども,光と風の丘公園内に「古墳の森」という名称の区画がある以上,(移築を含め)それらしいものがあるのではないかと考え,過日,そのあたりを散策した。結論として,円墳のように見える盛土様のものが1つある。これが古墳なのかどうかはわからない。美浦村としては,それが古墳であれば古墳としての標識を立てるべきだし,古墳ではないのだとすれば「古墳の森」という名称を廃止したほうが良いし,残存古墳の地上部は掘削により消滅しているのだとすれば,そのような説明板を立てるべきだと思う。美穂村には,愛宕山古墳白籏石尊古墳浅間塚古墳信太美駒古墳群のような重要な古墳が多数現存しているので,まぎらわしい表示は厳禁だと思うし,説明責任もあると考える。


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光と風の丘公園の案内板


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「古墳の森」内の南側の尾根上にある墳丘様のもの


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「古墳の森」内の西側の尾根上にある扁平な遺構様のもの



[追記:2020年6月18日]
その後,上記の写真の塚のようなものは,八枚原古墳群の2号墳に該当することがわかった。
高橋嘉朗「美浦村の古墳と古墳群」美浦村史研究6号27~46頁(平成2年)の41頁によれば,八枚原2号墳は,直径30.2m・高さ3.2mの円墳とされている。

[追記:2020年7月7日]
2枚目の写真の扁平な墳丘様のものは,高橋嘉朗「美浦村の古墳と古墳群」の41頁において1号墳(直径10.4m・高さ1.4mの円墳)とされているもののようにも見えるけれども,はっきりしない。現時点においては,この塚のようなものが古墳として扱われていないことだけは確認した。



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