茨城県鹿嶋市・宮中野古墳群:夫婦塚古墳

過日,鹿嶋市にある宮中野古墳群を見に出かけた。この地域には多数の古墳が残されているはずなのだが,全部見るのは当然無理。めぼしいものだけを見て回った。一番大きな夫婦塚古墳は,駐車場も完備されている。夏草が生い茂っており,ボランティアの方々が草刈り作業を行っているところだった。

私も色んなボランティア作業に参加することがある。夏の暑い盛りの作業はそれこそ死にそうになるので,どうしても夏草が生い茂ることになる。山野草の自生地等では,理想的には,冬に草刈りをするのが一番良い。そうすれば,笹などを駆除しつつ,夏に生育する山野草を保護することもできるからだ。しかし,公園等ではそういうわけにいかないので,なかなか大変だ。

さて,駐車場に車をとめ,ボランティアの方からありがたく説明を拝聴し,それから古墳へと向かった。

夫婦塚古墳
案内説明板


駐車場から短い階段を降りると,周濠の部分になる。かつては駐車場部分も周濠だったらしいとのことで,もしそうだとすれば相当規模の大きな古墳だったということになる。その階段下のあたりから遊歩道のようなものがあったので,道なりに歩いていくと,陪塚が2つ見えた。低い円墳のようだ。

夫婦塚古墳
周濠(左手が駐車場・右手が古墳墳丘)


夫婦塚古墳
1つ目の陪塚


夫婦塚古墳
2つ目の陪塚


そのあたりで,後円部正面になる。大きな後円部だと思う。後円部に登ってみた。

夫婦塚古墳
後円部正面


後円部の頂上は比較的尖っているように思う。後円部には,全体として多数のキノコが生えていた(公園内なので採取は禁止。写真撮影のみ。)。もしかすると,菌従属栄養型の特殊な植物が生えているかもしれないと思ったのだが,時間がなく,探索しなかった。

夫婦塚古墳
後円部頂上付近


夫婦塚古墳


夫婦塚古墳


夫婦塚古墳


夫婦塚古墳


夫婦塚古墳


そこから前方部へと向かった。前方部にはシロヨメナ(Aster ageratoides)ではないかと思われるキク科植物がびっしりと生えていた。筑波山周辺にはいっぱいあるが,低地にはほとんどないので,まさかここで出逢うとは思ってもみなかった。びっくりだ。

夫婦塚古墳
後円部から前方部


夫婦塚古墳
前方部


Aster ageratoides
シロヨメナと思われるキク科植物


そこから墳丘くびれ部あたりに戻り,側面の通路を通って裏側に出てみた。駐車場のあたりからだと何となく全体像をつかみにくい。裏側から見て,やっと全体像を理解することができた。とても大きい。1枚の写真では収まりきらないのだが,後円部の方からやや斜めに写真をとってみた。どうにか全体を撮影できたのではないかと思う。

夫婦塚古墳
墳丘全容(左側が後円部,右側が前方部)


とにかく大きな古墳だった。鹿嶋地域に進出した海軍を主体とする武装勢力がこの周辺を根拠地として強大な軍事国家を構築し,支配したものと推定される。天孫降臨前の出来事ではないかと考えているのだが,その後,國譲りが起きているので,なかなか興味深い歴史の地ということになる。この古墳群は,そうした歴史を語る古代の支配者達の墓地であり,そして祖を祀る地でもあったのだろうと思う。古墳の位置関係から推定して,大型古墳が見張り台としての役割や,あるいは,海を渡ってくる軍船の目印のような役割を果たしていたことも間違いないだろうと思っている。

古墳を見学し終えて駐車場のほうへ戻ると,ボランティアの方々が暑い中で除草作業を続けているところだった。頭が下がる。税金だけで全てをまかなうことなどとてもできることではないので,こうした地元のボランティアの方々の支えというものが史跡等の保存のためには極めて重要だ。そのようなボランティア組織が存在していないところでは,やはり史跡等がどんどん荒廃しているという現実がある。

[付記]

あくまでも「国語辞典」の話題。

「夫婦」と書いて「めおと」と読む。「婦」が「め」で「夫」が「おと」なのは理解できるが,そうだとすれば,「おとめ」と読むのが正しいのではないだろうか?

「めおと」の読みにこだわるのであれば,国語辞典から「夫婦」を削除し,「婦夫」のみとすべきだろう。その場合,国語辞典の「夫婦」は「ふうふ」の項だけに記載することになる。

・・・などと細かいことを書くと,また嫌われることになるのだろうな~~と思う(笑)。



  鹿嶋市:歴史探訪コース
  http://www.city.kashima.ibaraki.jp/kankou/plan/plan01.html

  鹿嶋市宮中野古墳群夫婦塚古墳
  http://sgkohun.world.coocan.jp/archive/index.php/kasima_meoto/

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック