バラ:ブラスバンド

ブラスバンドという品種のバラがある。息子がブラスバンド部に所属しており,文化祭で演奏するというので妻と一緒に聴きに行ってきた。久しぶりにブラスバンドの演奏を聴いたが,懐かしさがこみ上げてきた。
バラの品種のブラスバンド(Brass band)は,Jackson & Perkinsが1995年に作出した品種だそうだ。幾つかの蕾がまとまっており,大小のラッパを並べたような感じに咲くのでこのような名前になったのだろうと想像する。
私は,高校生のときにブラスバンド部にいて,フルートを演奏し,作曲・編曲や指揮もした。あまりに音楽に打ち込みすぎ,大学入試に向けた受験勉強というものを全くやらなかったので学業成績が低迷してしまったが,悔いは全くない。
大学に入ってからもオーケストラと混声合唱団に所属し,社会人になってからも幾つかのアマチュアオーケストラの団員(フルート奏者)として音楽を楽しんだ。
「ブラスバンド」とは,本来は,ラッパなどの真鍮楽器だけで編成された合奏団のことを意味するのだと思う。現在ではフルートやクラリネットなどの木管楽器も含めた編成の合奏団が普通になっており,純粋なブラスバンドと区別するときはウィンドバンド(吹奏楽団)と呼ぶらしい。
最近では,ぐっとクールで視覚的にも楽しめるブラスバンドが流行りになっているが,かつてのブラスバンドは軍楽隊そのものだった。ナポレオン(1世)の時代には,歩兵と一緒に音楽を奏でながら進軍し,真っ先に敵の弾に当たって死ぬ運命を負わされていたのも軍楽隊(鼓笛手)だった。「木口小平は死ぬまでラッパを口から放しませんでした」は,そうした時代の陸軍歩兵部隊というものを想起しなければ理解できない現象というべきだろう。
さて,息子が所属するブラスバンド部の演奏は,3曲のポップスの曲だったのだが,最初に演奏されたのは,何とミシェル・ポルナレフの曲だった。「何で?」と思ったら,最近のTVドラマの主題曲だったらしい。
当時,私は小学校から中学校に進んだころだった。フレンチ・ポップス全盛時代で,フランスではまだ保守的な「フランス語至上主義」がはびこっていたのにミシェル・ポルナレフは平気で英語の歌詞の美しい曲を歌いまくっていた。シルビー・バルタンも世界的なヒット曲をバリバリ歌いまくっていた。フレンチ・ポップスだけではなく,総じて欧州勢のほうが米国の歌手よりもずっと元気が良かった。
その時代と比較してみると,現代の音楽業界では,資本と物量で勝る米国資本に完全に支配されてしまっているような感がする。
空疎な音楽であっても,宣伝広告によって簡単に迷わされてしまうような鑑賞眼のない消費者が無数に存在する限り,映画でも音楽でも米国資本が衰えることはない。
ミシェル・ポルナレフ
http://www.lares.dti.ne.jp/~m-yoneda/content/japan.html
この記事へのコメント
私の末娘もブラスバンドで、フルートをやっています。
ミッシェルポルナレフの話など拝見していると、同じ位の年代かな~などと思って微笑んでしまいました(^^;
ミッシェル・ポルナレフでピンとくる方って,たぶん同年代なんでしょうね。^^;
昔は(と書くと,ちょっと爺くさいですが・・・)綺麗なメロディの曲が多かったですね。ラップみたいな感じの曲って,私の感性ではメロディとは言い難いので,ちょっと馴染めません。^^;
私の息子はチューバを吹いてます。体格が大きいので先生からチューバやれと言われてやり始めたみたいです。